【新発表】次世代AIエージェント開発を支えるOpenAIの最新ツールを解説!

OpenAIは、開発者や企業がより実用的で信頼性の高いAIエージェントを構築できるよう、新しいツールセットを発表しました。この発表は、AI技術の進化における重要なマイルストーンとなり、特にエージェント開発の効率化と高度化に大きく貢献すると期待されています。

なぜこの発表が重要なのか

  • エージェント開発の簡素化:新しいAPIとツールにより、複雑なエージェントの構築が容易になります。
  • 多様なタスクへの対応:高度な推論、マルチモーダルインタラクション、安全技術の向上により、エージェントがより高度なタスクを処理できるようになります。
  • 業界全体の生産性向上:AIエージェントの活用が広がることで、さまざまな業界の業務効率が大幅に向上することが期待されます。

本題:新しいツールの詳細な解説

OpenAIが提供する新しいツールは、主に以下の4つの要素で構成されています。

  1. Responses API:Chat Completions APIのシンプルさとAssistants APIのツール利用機能を統合した新しいAPI。
  2. 組み込みツール:Web検索、ファイル検索、コンピューター操作などの機能を提供。
  3. Agents SDK:シングルエージェントおよびマルチエージェントのワークフローをオーケストレーションするためのSDK。
  4. 統合された可観測性ツール:エージェントのワークフロー実行を追跡し、詳細な分析を行うためのツール。

Responses APIの詳細

Responses APIは、OpenAIの組み込みツールを活用してエージェントを構築するための新しいAPIプリミティブです。

  • Chat Completions APIとの違い
    • Chat Completions APIは引き続きサポートされますが、Responses APIはより柔軟な基盤を提供し、新規開発ではResponses APIの利用が推奨されます。
  • Assistants APIとの違い
    • Responses APIはAssistants APIの主要な改善点を取り入れており、より柔軟で高速、かつ使いやすくなっています。
    • Assistants APIは2026年半ばに廃止予定で、Responses APIへの移行ガイドが提供される予定です。

以下のグラフは、異なるAIモデルの質問応答(QA)精度を比較したものです。検索機能を搭載したGPT-4o(90%)およびGPT-4o mini(89%)が、通常のGPT-4o(38%)と比べて圧倒的に高い精度を誇ることが示されています。これにより、AIがリアルタイム検索を活用することで、回答の正確性が大幅に向上することが分かります。

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出典: OpenAI, 「New tools for building agents」/(閲覧日: 2024年3月12日)

組み込みツールの詳細

Responses APIには、以下の3つの主要な組み込みツールが含まれています。

  • Web検索
    • GPT-4oおよびGPT-4o-miniで使用可能なツールで、最新の情報に基づいた回答を提供します。
    • 例えば、HebbiaはWeb検索ツールを活用し、資産運用会社や法律事務所が迅速に洞察を得られるよう支援しています。
    • Web検索の結果には、ニュース記事やブログ投稿などのソースへのリンクが含まれており、情報の信頼性を高めます。
  • ファイル検索
    • 大量のドキュメントから関連情報を素早く検索できるツール。
    • 例えば、Navanはファイル検索機能を活用し、顧客サポートエージェントがFAQに素早くアクセスできるようにしています。
  • コンピューター操作
    • コンピューター上のタスクを自動化するためのツールで、Operatorと同様のComputer-Using Agent(CUA)モデルを使用。
    • 例えば、Unifyはこのツールを活用し、API経由では取得できなかった情報にアクセスし、営業活動を支援しています。
    • Luminaiは、従来のRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)では対応が難しかったレガシーシステムの業務を自動化しています。

Agents SDKの詳細

Agents SDKは、マルチエージェントワークフローのオーケストレーションを簡素化するためのオープンソースSDKです。

  • 主な改善点
    • エージェント:明確な指示と組み込みツールを備えた、柔軟に構成可能なLLM。
    • ハンドオフ:エージェント間のインテリジェントな制御の移行を実現。
    • ガードレール:入力と出力の検証を行い、安全性を確保。
    • トレーシングと可観測性:エージェントの実行履歴を視覚化し、デバッグとパフォーマンスの最適化を支援。

以下の表は、OpenAIのエージェントが「コンピューターの操作」「ブラウザの使用」「Web閲覧」において、従来の最先端技術(SOTA)や人間と比較してどの程度の性能を持つかを示したベンチマーク結果です。特に、ブラウザの操作能力において大幅な向上が見られ、ウェブボイジャーのスコア(87.0%)は人間に匹敵する水準に達しています。

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出典: OpenAI, 「New tools for building agents」/(閲覧日: 2024年3月12日)

業界への影響と考察

OpenAIの新しいエージェント開発ツールは、多様な分野での活用が期待されています。

  • 顧客サポートの自動化:FAQへの迅速なアクセスや、個別の問い合わせ対応を効率化。
  • リサーチ業務の支援:Web検索やファイル検索を活用し、市場調査や学術研究を強化。
  • コンテンツ生成:ブログ記事やマーケティング資料の作成を自動化。
  • コードレビュー:コード品質の向上やバグの早期発見を支援。
  • 営業活動の効率化:見込み客の特定や、パーソナライズされたアプローチを実現。

OpenAIの新料金プランについて

OpenAIの新しいエージェント開発ツールを活用する際、各種APIの料金についても理解しておくことが重要です。以下は、主要なモデルの料金体系の概要です。

主要モデルの料金

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出典: OpenAI, 「Pricing」/(閲覧日: 2024年3月12日)
  • GPT-4oは、最新モデルであり、最も低コストで高性能な選択肢。
  • GPT-4-turboは、従来のGPT-4より高速かつ低コスト。
  • GPT-3.5-turboは、特にコストを抑えたい用途向け。

追加コストが発生するツール

  • ベクター検索(Embedding API): 1Kトークンあたり $0.00002 ~
  • 音声関連ツール(Whisper、Text-to-Speech): 1分あたり $0.006~
  • 画像生成(DALL·E 3): 1リクエストあたり $0.04~

料金に関するポイント

  1. エージェント開発のコスト管理が重要
    • Responses APIや組み込みツールを活用する際、どのモデルを使用するかでコストが大きく変わる。
  2. タスクに応じたモデル選択が必要
    • 大規模な処理を行う場合は GPT-4o、コストを抑えつつ基本的な処理を行うなら GPT-3.5-turbo が適している。

このように、OpenAIのAPIを利用する際は、パフォーマンスとコストのバランスを考慮し、最適なモデルを選択することが重要 です。

まとめ

  • Responses API、組み込みツール、Agents SDKにより、エージェント開発が大幅に簡素化。
  • AIエージェントは、顧客サポート、リサーチ、コンテンツ生成、コードレビュー、営業活動など多くの分野で活用可能。
  • OpenAIは今後もエージェント開発支援のためのツールを拡充予定。

OpenAIの新しいエージェント開発ツールは、AI技術の進化を加速させ、私たちの働き方や生活に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。これらのツールをいち早く理解し、活用することで、企業は競争優位性を確立し、新たな価値を創出できるでしょう。

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